CBDとは、大麻草に含まれる物質の1つで、近年ではその医学的な効能などからも注目が高まり、各国ではグリーンラッシュと呼ばれるほどのブームが起きています。CBDには向精神作用や中毒作用がないため、もちろん日本でも合法で、最近では多くのCBD製品が登場しています。
そんな中で今回は、CBDが持つ美容効果をまとめました。ぜひこれを読んでCBDについて知り、日々の美容ルーティンに組み込んでみてください。
①日焼け・シミ予防
多くの人がご存知の通り、人間の肌には外界からの細菌などの異物の侵入や、刺激(紫外線、乾燥、ほこりなど) から体を守り、体内から水分の蒸発を防ぐバリア機能があります。このバリア機能に、エンド・カンナビノイド・システム(ECS) というものが関わっています。ECS は体の中だけでなく、体表面を覆っている肌にも存在していて、皮脂の分泌やターンオーバーなどそれぞれの細胞内の活動を調節してい ることが解明されています。
CBDはこのECSに作用し、肌を健やかに保ち、バリア機能を維持する効果があることが報告されているんです。
②ニキビ・アトピー
CBDは肌のバリア機能に作用して健康な肌の状態を保つだけでなく、ニキビやアトピー性皮膚炎など、すでにトラブルを起こしてダメージが残ってしまった肌への有効性も認められてきています。アトピー性皮膚炎やかゆみに対してCBDが医薬品として認められている海 外では、抗菌、抗炎症作用が認められる研究結果も多数見られます。これらはCBDがカンナビノイド受容体に働きかけることで、ECSを活性化させ、トラブル肌を改善すると考えられています。
③潤い・シワ予防
実は、CBDにはアクアポリン3を増やす作用があることがわかっています。って言ってもまずそのアクアポリン3が何かわかりませんよね?
皮膚の水分量は、コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどのさまざまな保湿因子(NMF ※)によって制御されており、これらが水分が多くハリのある肌には重要だとされてきました。しかし最近の研究でNMF以外にも、水分保持に重要な役割を果たす新たな保湿機構が存在していることが明らかになりました。それがケラチノサイトの細胞膜に存在する「水専用の通り道」アクアポリンです。
アクアポリンはタンパク質の一種で、内部に水分子1つが通れるほどの孔が開いています。人間の場合、全身にアクアポリンが存在していて、現在アクアポリン0〜アクアポリン 12 までの13 種類が発見されています。
肌の最も外側の層になる表皮にはアクアポリン3が存在していて、水分量を調節しています。つまりアクアポリン3を増やすことで、表皮に蓄えられる水分量が増え、肌に弾力やハリ感のある肌を手に入れることができるのです。
そしてこのアクアポリン3を増やす成分が様々研究されており、その有力な候補がこのCBDだと言われているんです。
※NMF…ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター。角質層に存在する天然の保湿成分のひとつ
④美髪・頭皮の健康
頭皮や毛髪トラブルの多くは、頭皮のかゆみや赤みを伴う頭皮の炎症が原因とされるのですが、このような炎症に対して②でも書いたCBDが持つ抗炎症作用が有効になります。
また、男性型の脱毛を改善する生体内成分「アデノシン」は、ヘアサイクルを正常に戻すことがわかっていますが、CBDはこのアデノシンを活性化させ、抗炎症作用をもたらすとされています。また育毛を促進する可能性も示唆されていますが、逆に高濃度のCBDは発毛を阻害する可能性もあるため、注意が必要です。
このほかにも、CBDは頭皮のECSに働きかけ、抜け毛の原因となる発疹は痒みを抑えて健康な頭皮を保ち、さらに毛髪の成長を促して髪質を改善するとしてヘアケア製品が発売されたりもしています。また頭皮のコリや緊張をほぐすことで血行を良くする効果もあると言われています。
⑤抜け毛・薄毛対策
年齢を重ねるにつれて男女問わずに気になる抜け毛・薄毛ですが、主な原因は異なります。男性はAGA(男性型脱毛症)と呼ばれ男性ホルモンが、女性は女性ホルモンの低下によるホルモンバランスの崩れが、ヘアサイクルを乱すことにつながり、それが主な薄毛の原因だと言われています。髪の毛には1本1本寿命があり、通常は生えている髪の毛の80%~90%が成長期にあるのですが、ヘアサイクルが乱れると旧式の毛髪の割合が増え、薄毛になってしまうのです。
CBDは、毛包に存在するCB1やTRPV1に働きかけ、毛の成長を促すと考えられているため、抜け毛や薄毛を防いで育毛をサポートするのです。
⑥ダイエット・筋トレ
ニキビやシワ、シミなどの顔の悩みにCBDが効果的であることはすでにお伝えしましたが、CBDはボディにも効果的なんです。ボディは顔に比べると、真皮層や皮下脂肪が厚い傾向にあるため、たるみが出やすいのですが、それを決めるのはさらにその下にある筋肉の量なんです。筋肉が多くて皮下脂肪が少ないとたるみにくく、筋肉が少なくて皮下脂肪が多いとたるみやすいんです。
近年の研究によって、CBDはECSに作用するだけではなく、ミトコンドリアの整体エネルギーを高めて、代謝を促進させることが解明されました。代謝が活発になることで、皮下脂肪の減少が期待できるだけではなく、保湿力を高めて弾力がアップし、ボディのたるみの改善が期待できます。
⑦オーラルケア
近年は歯周病や虫歯予防の製品が多く発売されたり、ホワイトニング治療が注目を集めていますが、実際45歳以上の日本人の8割が歯周病にかかっているとも言われています。歯周病をこじらせると歯を失うだけでなく、心臓や糖尿病、脳卒中など重篤な病気の原因にもなるため、注意が必要です。
そんな中で、2020年に発表された研究で、カンナビノイドはオーラルBやコルゲートなどの市販のオーラルケア製品よりも、歯垢の中の細菌集落を減少させるのに効果的であることがわかりました。今後こうした研究が進んでいくことで、CBDが歯の健康を守る予防歯科の主要な成分になることも期待されています。
⑧睡眠の質向上
睡眠中には成長ホルモンが分泌されますが、この成長ホルモンは傷ついてしまった細胞の修復や疲労の回復など様々な働きがあり、肌や粘膜のような細胞分裂が活発な部位では必要不可欠なホルモンです。この成長ホルモンの分泌を促すには、質の良い睡眠をとることが不可欠です。
CBDは、脳内のECSに作用することでアナンダミドの分解を抑制し、精神を安定させるリラックス効果があることがわかっています。また質の高い睡眠には不可欠なセロトニンを活性化させるという研究結果も報告されており、CBDは様々な観点から睡眠の質をあげると考えられています。